毎月分配型投信が投資信託人気ランキングで1位を取るという闇【メリットなし】

「毎月分配型投資信託」って聞いたことありますか?

毎月毎月、お給料みたいな形で一定の配当金がもらえる投資信託です。

これだけ読むといいように思いますが、実態はあまりいいものではありません。

しかし、根強い人気があります。

 

価格ドットコムの投資信託ランキングで第1位の「ニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型)」というちょっとアレなファンドを例に、毎月分配型投資信託の話をしたいと思います。

このランキングを見ていると毎月分配型が目立ちますね。

あちこちで「毎月分配型はやめとけ」って意見を目にしますが、それでも未だに人気が高いです。

2位にひふみがランクインしてますので、「おとなしくこっちにしときな…」って思いますが…

毎月分配型の実態

再投資後の基準価額???

これ、完全に詳しくない人を騙しにきてると思います。

「分配金込み基準価額」は税引前の分配金を再投資した場合のもので
あるため、実際の運用成果とは異なりますが、「分配金込み基準価額」
を見ることによって運用成果をおおまかに掴むことができます。つまり、
「分配金控除後の基準価額」ではなく、「分配金込み基準価額」を見るこ
とが大切なのです。

https://www.nikkoam.com/files/fund-academy/koyomi/pdf/co_1502.pdf

 

3回読んでも「???」って感想。

 

さらに”税引き前の”配当金を再投資した結果を出しているところがタチ悪いんです。

分配金を受け取るか再投資するか選ぶことができるのですが、再投資を選んだ場合でも分配金を受け取って、その分の税金を支払った後で再投資したことになるので、実際には毎月の配当金に20%の税金がかかってきます。

このことは目論見書にも明記してありますが、ここまで読み込んだうえで買う人はおそらくいないでしょう。

つまり下の赤のチャートは、何の実態も表していない意味のないチャート。

再投資をしても実際には税金が引かれた分、赤線より悪いパフォーマンスになります。

f:id:bbc-21:20170502211408p:plain

こちらは前述のニッセイグローバル好配当株式プラス(毎月決算型)のチャート。

途中で2本に分かれているところから200円の配当が始まり、更に約1年後300円に増配しています。

そして、2017年4月からは200円に減配しています。この理由は明白で、基準価額が下がってきたからです。このままいくと配当無くなりますね。

 

では実際に投資した場合、実際にどうなるのか計算してみます。

 

分配金シミュレーション

2013年7月から分配が開始されました。

そこから2017年3月まで投資したシミュレーションをしてみます。

当時の基準価額16,000円で100万口(160万円)購入したと仮定します。

 

分配金は毎月20,000円(年240,000円)受け取れます。年利にすると15%です。

200円の配当が14ヶ月間、2014年9月まで続きました。

アベノミクスにうまく乗っかれたのでしょう。その間基準価額はほぼ変わっていません。結果論ですが、この期間だけを見ればパフォーマンスは悪くないと思います。

 

それで調子に乗ったのかわかりませんが、300円に増配します。300円配当は17ヶ月続きました。

2013年7月〜2017年3月までの3年8ヶ月間で、合計79万円の分配金が受け取れた計算になります。

 

しかし、増配したころからズルズル下がり続け、基準価額は約半分となっているので、160万円で購入した元本は80万円に。

なんとも綺麗に分配金と合わせて最初の資金と同じになりましたね。

貯金を取り崩したのと同じことになりました。

 

 

ところがここまで信託報酬の1.7%と分配金にかかる税金を計算していません。

信託報酬は元本から引かれるのか分配金から引かれるのか知りませんが、1.7%ってアホみたいに高いです。さらに分配金には20%の税金がかかります。

 

つまり、毎年1.7%の手数料と毎月20%の税金を払って自分のお金を使っていただけということになります。

 

証券会社と国に寄付していたようなものです。

 

こんな商品が人気ランキング1位って、いったいどうなってるんでしょうか?

 

損しても毎月分配金欲しい?

「貯金するより投資しよう」っていうのが持論ですが、こういうのは論外です。

こんなものに投資するよりはタンス預金の方がまだマシです。

 

計算した通り、最初の1年間は手数料と税金引いても10%超の利回りだったため、短期では結構よかったことになります。

ただしそれはアベノミクスに上手く乗れた結果論であり、基本的に分配金を上回る利益を継続的にあげられることはほぼありませんので、基準価額は下がり続けます。

 

そして遅かれ早かれ減配されるでしょう。

元本の取り崩しでしかない毎月分配型で、得することはほぼありえません。あったとしてもごくごく稀。

普通にインデックス投資して利益が出る確率の方がよっぽど高いと思います。

 

一応こういうことも目論見書に書いてはあるんですけどね。

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この投信を買うような人はきっと読んでないですね…

 

結局、識者の「毎月分配型はやめとけ」って意見が正しいのですが、いつまでたっても人気ランキング上位に君臨しています。

 

その理由をひふみ投信の藤野社長がFacebookに投稿していました。

面白かったので、ぜひ読んでみてください。 

www.kakitaroo.com

  

というわけで、人気ランキング1位の毎月分配型を例に投資すべきかどうか書いてみました。

まだ、毎月分配型を買いますか?

 

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